選挙に行かない理由とは?50歳で初めて投票に行ってみた話

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50歳にもなれば、誰にも言えない秘密の一つや二つはあるもの。そのうちの一つをここで告白しようと思う。それは、これまでの人生で一度も選挙に行ったことがないということだ。

選挙権を得てからの30年間、投票に行っていないことは家族にすら秘密にしてきた。「なぜ、選挙に行かなかったのか?」と問われれば、「選挙に行くのが面倒だから」という回答になる。

そんな私が2024年の東京都知事選挙に50歳にして人生初めての投票に行った。選挙に行かない人生を卒業したのだ。

投票に行く道では、モーニング娘。の『ザ☆ピ~ス!』が頭の中でリピートされていた。「♪選挙の日ってウチじゃなぜか、投票行って外食するんだ~」

この曲が流行っていた2001年は、私がまだ20代半ばのとき。この頃から、しっかり投票に行っていれば何か変わっていたのだろうかと思いつつ……

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50歳になるまで一度も選挙に行かなかった理由

若者が選挙に行かないと言われていたのは、『ザ☆ピ~ス!』がヒットした頃から変わっていない。当時、若者の一人だった私は選挙に行かないことに特別な理由はなかった。もし、選挙に行かない理由をアンケートで問われても困ったはずだ。

選挙に関してさまざまな調査機関によって世論調査が行われているが、「選挙に行かない理由」については、おおよそ下記の回答に絞られる。

  • 「投票したい政党・候補者がいない」
  • 「投票しても意味がない」
  • 「政治に関心がない」
  • 「政治に不信感がある」
  • 「忙しくて投票に行く時間がない」

これらの回答を見て、「本当だろうか?」と疑問をもつ私がいる。「投票したい政党・候補者がいない」なんて、そもそも選挙に行かない人は、誰が立候補しているのかすらも知らないのではないか。他の回答についても選挙に行かない言い訳にしか聞こえない。

実際に私が50歳になるまで一度も選挙に行かなかった理由をあえて探すならば、「選挙に行くのが面倒だから」が一番しっくりくる。休みの日に選挙に行く時間があるなら、遊ぶか寝るかの方がいい。若い頃ならなおさらだ。

一度その選択をしてしまったら、選挙のたびに「今回も行かなくていい」になる。そして選挙に行かないことが当たり前となり、いつしか一度も選挙に行ったことがない中高年となってしまった。

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選挙に行かない中高年が増えている

「選挙に行かない若者」はよく耳にするが、「選挙にいかない中高年」とはあまり聞いたことがない。しかし近年では、若者よりも中高年の方が投票率の減少幅が大きく、選挙に行かない中高年が増えているという。

そんな選挙に行かない中高年の核をなしているのは、昭和46年から昭和49年生まれの第二次ベビーブーム世代。その世代が選挙権を得たのは平成5年前後のことだ。

総務省「国政選挙における投票率の推移」をみると、第二次ベビーブーム世代が揃って選挙権を得てから、初の国政選挙となる平成7年の参議院選挙は44.52%、続く平成8年の衆議院選挙は59.65%と当時の史上最低の投票率を記録している。

衆議院議員総選挙における投票率の推移
参議院議員通常選挙における投票率の推移
出典:総務省「国政選挙における投票率の推移」

上記の投票率低下の最大の要因は、平成6年に中選挙区制から小選挙区比例代表制が採用されていることが挙げられているが、当時若者だった第二次ベビーブーム世代が選挙に行かなかったことも少なからず影響を与えただろう。

実際、総務省「国政選挙における年代別投票率」では、第二次ベビーブーム世代が選挙権を得た平成5年前後の選挙から、20代の投票率が下がり始めている。

つまり、第二次ベビーブーム世代は選挙に行かない若者の先駆けであり、そのまま選挙に行かない中高年になってしまったようだ。

カラオケに行ってノリノリで『ザ☆ピ~ス!』を唄っていた世代のはずなのに、歌詞にあるように選挙に行って外食することなく、年を重ねてしまった。私の場合は「選挙に行くのが面倒だから」というどうしようもない理由で……。

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50歳で初めて投票に行った話【体験談】

50歳で初めて投票に行ったのは、2024年の都知事選挙が例年になく盛り上がっていたからだ。「選挙に行くのが面倒だから」よりも、選挙に行く興味の方が少し勝った。推しの政党や候補者がいなくても、選挙に参加してみたくなった。

2024年の東京都知事選挙は、選挙の在り方や制度について多くの声が上がったが、良くも悪くもそれだけ選挙に注目を集める結果となったのだろう。選挙に行く理由なんて何でもいい。行かないよりも行った方がいろいろ分かることがある。

いよいよ投票日当日。50歳にして今さら投票のやり方を聞くこともできない。投票所でオロオロしないように投票のやり方もYouTubeで調べて投票所へと向かった。頭の中では懐かしい『ザ☆ピ~ス!』がリピートされる。そして、いざ投票。

投票所にいた時間はわずか5分程度。30年間も面倒と思っていた投票は呆気なく終了した。私と同じように選挙に行ったことがない中高年は安心していい。投票するのは物覚えが悪くなった中高年でもすぐできる。

帰り道で少し高価な鰻を食べた。当たり前のことをしたのになんとなく気分もよかった。もし30年前から選挙に行っていたら、何か変わっていたのだろうかと思いつつ、久しぶりに会えた地域猫の頭を撫でた。

結論:選挙に行って美味しい鰻を食べたい

音楽プロデューサーでモーニング娘。『ザ☆ピ~ス!』の作詞・作曲も手掛けたつんくさんは、かつて投票率の低下について以下のように語っている。

投票することの参加意識ですよね。

エンタメ的に考えると、ワクワク感と、ちょっとしたいかがわしさ、なんちゅうか、ドキドキ感。楽しい遊園地でも、何かドキドキ感があるからお金を払うわけで。単に健全ってだけなら公園でいい。ジェットコースターにもドキドキがあるからお金払うし、わざわざ怖いのに幽霊屋敷にお金を払う。ここにはドキドキがあるから。

政治というか、社会にもエンタメ的なワクワクやドキドキを政治家さんがセッティングしてくれたら、アイドルの総選挙より当然盛り上がるはずなんですが(笑)

「投票行って外食するんだ」 つんく♂が明かす誕生秘話

2024年の東京都知事選挙はエンタメだったのだろう。私のような30年間も選挙に行かなかった中高年を投票に行く気にさせたのは、いつもの選挙にはないワクワクやドキドキがあるイベントに感じたからだ。

果たして次回の選挙は今回の選挙以上のワクワクやドキドキはあるのだろうか。再び選挙に行かない中高年にならないために、賛否はあっても個人的にはさらなる選挙のエンタメ化が進んでほしい。

選挙の日は、楽しいイベントに参加する気分で選挙に行って、また美味しい鰻を食べたい。そして平和な気持ちで可愛い猫を撫でたい……結論はそんな話。

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