猫のお腹に生えているふわふわの腹毛を見て「モフモフしたい!」と思うのは猫好きの共通認識ですよね。でも、猫を飼うことに慣れている人でも、いきなり猫のお腹を触るのは難しいことです。猫のお腹はとてもデリケート。猫は信頼している人にしかお腹を見せることはありません。
そのため、はじめて猫を飼う人には、猫のお腹を触るのはハードルの高い接し方です。信頼関係がないのに触ろうとするのは猫に嫌われるだけでなく、引っかかれたり噛みつかれたりして怪我をしてしまう恐れもあります。
私も2匹の保護猫を飼っていますが、家に迎え入れた当初はお腹を触るなんて夢のまた夢のように感じるほど、猫から嫌われていました。でも今ではいくらでも腹毛をモフモフすることができます。
本記事では、猫のお腹に触ることができない人のために、腹毛をモフモフするためのヒントについて体験談をもとにお伝えします。少し先の未来には、あなたの猫がへそ天をしてモフモフを要求するようになっているかもしれません。
- はじめて猫を飼う人で接し方に悩んでいる人
- 猫に触り方のタイミングや方法がわからない人
- 猫の腹毛をモフモフする効果を知りたい人
猫の腹毛とは?
「モフモフしたい!」を叶えるためには、まず猫の腹毛について理解しておく必要があります。ここでは、モフモフする前に知っておきたい「猫の腹毛の基本」をお伝えします。
腹毛の役割と特徴
猫の腹毛は、身体の保護や体温調節のために生えています。腹部はデリケートな部分であり、それを覆う腹毛は外部からの刺激から内臓を守る重要な役割を果たしています。
また、腹毛は毛の中でも比較的柔らかく、触り心地が良いことも特徴です。だからこそ腹毛は、モフモフするには最高の毛ということかできます。
猫種による腹毛の違い
猫の種類によって腹毛の長さや密度、色合いなどが異なる場合があります。長毛種の猫は一般に腹毛も長く、密集しています。一方、短毛種の猫は腹毛が短く、うっすらと下の皮膚が見えることもあります。
長毛種だからモフモフの感度が良いという訳ではなく、毛の下の柔らかいお腹の感触も含めて猫の腹毛の魅力です。猫種による見た目の違いはありますが、モフモフの価値に違いはありません。
腹毛の成長サイクルとケア
腹毛は他の毛と同様に成長し、一定期間で抜け落ちるサイクルを持っています。正常な場合、腹毛は自然に抜けて新しい毛が生えてくるので、特別なケアは必要ありません。
ただし、毛玉や汚れが腹毛に付着することもあるため、定期的なブラッシングやトリミングで腹毛を清潔に保つことで、最高のモフモフを味わうことができます。
猫のお腹に触ることは猫の信頼関係を築くことが不可欠です。とはいえ、猫の性格もいろいろ。臆病だったり警戒心が強かったりで、なかなかなつかない猫もいます。
なつかない猫に心が折れて「猫の腹毛をモフモフするなんて無理…」と感じている方は、下記の記事「なつかない猫をなつかせるために効果的な3つの方法【保護猫がなつくまでの期間も紹介】」も是非ご覧ください。なつかない猫がなついてくれるまでの体験談を紹介しています。
猫の腹毛をモフモフしたい!嫌われないお腹の触り方
猫の腹毛をモフモフするには、猫に嫌われないように慎重に接する必要があります。そのための心構えと環境作りに加えて、猫の腹毛の触り方を紹介します。
モフモフするための心構えと環境作り
猫の腹毛をモフモフするには、人馴れしてもらうことが第一です。心構えとしては、ただ猫が人間に興味をもってくれるのをひたすら待つのみ。信頼関係ができていないのに、こちらから積極的に猫に近づくことは、ますます猫に嫌われる原因となります。
やれることもたった一つ。猫の過ごしやすい環境を作ってあげることです。猫が安心してリラックスできるスペースをできるだけ増やすことを心掛けましょう。猫ケージに毛布を被せて人目を遮ることや、掃除機など生活音に配慮することも大切です。
モフモフするためには根気が必要です。猫の下僕となり、ひたすら猫のお世話に徹することに専念することが猫の腹毛に触る近道となります。そんな健気な飼い主の様子を猫はしっかり見ています。
モフモフするための5つの触り方
猫との信頼関係が少しずつできてくると、猫の方から人間に興味を持ちだします。でも、いきなり猫を触ることは厳禁です。ステップを踏みながら、猫に嫌われないように接しましょう。ここではモフモフするための触り方を段階別に5つご紹介します。
ステップ1:おもちゃで触る
猫の興味を引くおもちゃを使って、遊びながら腹毛を触る方法です。猫が遊びに夢中になっている間に、さりげなくおもちゃでお腹をコショコショします。
ねこじゃらしのようなおもちゃであれば、猫との距離を保って猫と触れ合うことができます。猫もおもちゃに意識がいっているので、直接的なネコパンチ等の攻撃を受けることもありません。
ステップ2:ブラシで触る
猫がブラッシングを好む場合、ブラシを使ってお腹を軽く触ることができます。猫が触られるのが好きと言われる部位(顔回りや背中)から、少しずつ腹毛に向かって触ってあげましょう。
ブラッシングは猫の毛対策としても効果的です。ブラッシングを習慣づけることができれば、猫のモフモフができる日もすぐそこです。
ステップ3:グローブで触る
ブラッシングが習慣化できたら、いよいよ手でモフモフをして見ましょう。ただし、引っ掻かれたり噛みつかれたりする可能性があるため、グローブをはめて猫の腹毛を触ることをおすすめします。
グルーミンググローブを使用すれば、ブラッシングと同じ効果も期待できます。猫がじゃれあう感覚や甘噛みの程度も体感できるので、素手で触る前の演習として最適です。
ステップ4:素手で触る
グローブでモフモフに慣れてきたら、いよいよ最終段階となる素手で腹毛を触ってみましょう。ここまでステップを踏んできたら、猫は完全に身体を委ねてくれるはずです。
しかし、素手で触る以上は危険もあります。猫の反応をよく観察し、触られるのを嫌がるサインが少しでも見られたら、無理せず猫のペースに合わせてください。このことは猫を触る上でもっとも大切なことです。
ステップ5:頭で触る(猫吸い)
素手で触ることができたら、もう猫との信頼関係は出来上がっているといえます。ここからさらに関係性を深める触り方があります。それは、猫のお腹に頭を埋めて息をスーハーすることです。猫好きの間では、猫吸いともいわれています。
ここまでくると、もう猫との信頼関係は完璧です。猫吸いに関しては、猫の気持ちというよりは飼い主の気持ちを優先しているように感じられますが、ちょっとした飼い主へのご褒美として猫もきっと受け入れてくれるはずです。
猫の腹毛をモフモフする3つの効果
猫の腹毛を触ることは、猫と飼い主ともに幸せにしてくれます。ここでは、代表的な3つのモフモフ効果についてお伝えします。
猫と仲良くなれる
猫のお腹はデリケートな部分であり、そこを触らせることは猫にとって信頼の証です。猫がお腹を触らせてくれるようになると、猫との絆がさらに深まり仲良くなることができます。
猫がへそ天をして積極的にモフモフを求めてくる姿は、飼い主にとって大きな喜びです。あまりに仲良くなり過ぎて、ネコハラに感じるほど近寄ってくることもありますが、また嫌われてしまうことのないようにしっかりモフモフしてあげましょう。
気持ちが癒される
猫の腹毛をモフモフすると、心地よい感覚を味わえます。猫のお腹は柔らかく、ふわふわしているため、触れるとリラックス効果があります。疲れた日の終わりに、猫のお腹を触ることでストレスが解消され気持ちが癒されます。
なかでも前述した猫吸いは、猫好きにとっての最高の癒しになります。ただし、猫のストレスや衛生的にも猫吸いのやりすぎは禁物です。
参考記事:猫飼いさんがよくやる「猫吸い」基礎知識 やりすぎは病気のリスクも…?
猫の毛対策になる
猫の腹毛をモフモフすることは、猫の毛対策にも役立ちます。猫の腹毛を触ることで、皮膚や被毛の健康や毛玉予防など、猫の毛づくろいの手助けにもなります。
猫を飼い始めて驚くことの1つが、部屋中に散らばる抜け毛の多さ。猫の健康のためになることはもちろん、部屋の掃除が少し楽になることを考えれば、猫のモフモフは一石二鳥の効果があります。
まとめ:猫の腹毛は最高!でも、触れなくても猫は可愛い
猫の腹毛をモフモフできることは、飼い主にとって最高の喜びの1つです。しかし、猫との信頼関係ができないうちに、無理に触ろうとすることは猫に嫌われる原因になります。そのため、猫に嫌われないように以下の手順で信頼関係を深めることをおすすめします。
まず、大前提として猫が人馴れするまでは安心できる環境作りを徹底することです。猫がリラックスできる場所を提供し、生活音にも極力配慮する必要があります。
そのうえで、少しずつ猫が人間に興味を持ち始めたら、次のステップを踏みながら、猫にモフモフすることに慣れてもらいましょう。
- ステップ1:おもちゃで触る
- ステップ2:ブラシで触る
- ステップ3:グローブで触る
- ステップ4:素手で触る
- ステップ5:頭で触る(猫吸い)
猫吸いまでできるようになれば、猫との信頼関係は完璧です。
なお、猫の腹毛をモフモフすることには、以下の主な3つの効果があります。
- 猫と仲良くなれる
- 気持ちが癒される
- 猫の毛対策になる
ただし、やりすぎは禁物です。猫に嫌われないようにほどほどにやりましょう。
最後にもっとも重要なことを1つ。猫の魅力は腹毛をモフモフすることではないということです。猫の性格上、どうしてもモフモフどころか身体に触れさせてくれない猫もいます。
うちの2匹の保護猫も1匹はネコハラと感じる位に近寄ってきますが、もう1匹は家に迎え入れて3年が経過しているにもかかわらず、触ることすら難しい状態です。
でも、2匹の可愛さに変わりはありません。触ることを許してくれない猫は「近くで寝てくれた」「目があっても逃げない」等、些細なことが嬉しく感じられます。
猫の腹毛をモフモフは最高ですが、猫の性格に合わせることで他の魅力をたくさん見つけることができるはずです。