現代は、どこもかしこもコンプライアンスにうるさい時代。本人にその意識がなくても、偉そうに見える中高年は職場から一発退場のリスクを抱えている。
タレントの高田純次は、歳をとってやってはいけないこととして「説教」「昔話」「自慢話」を挙げている。これらは、まさに偉そうな中高年の典型的な行動パターンと言えるだろう。
特に、社会的地位を持つ50代男性は「パワハラ」「モラハラ」「セクハラ」など、あらゆるハラスメント認定を受ける可能性が最も高い存在といってもおかしくない。
そんなリスキーな50代男性は、世の中から嫌われないように生きることが重要だ。若い世代はベストセラーにもなった「嫌われる勇気」の考え方も必要だが、中高年になったら「嫌われないようにする努力」をしないとハラスメントおじさんになってしまう。
今ある仕事を失わないように、50代の中高年が心に留めておくべき、偉そうな50代の特徴と嫌われない方法とは……
偉そうな50代の特徴とは？
冒頭の高田純次の言葉をそのまま使用すると、偉そうな50代の特徴は……
- 偉そうな態度で上から目線の説教
- 周囲の空気を読まない昔話
- 本人だけが悦に浸っている自慢話
これらのことで共通するのは、相手に対する配慮が決定的に足りていないということだろう。映画やドラマでも「嫌われるおじさん」として描かれることも多い。
上記の内容は、年齢に関係なく嫌われる人の特徴でもあるが、50代にもなると中高年特有の「傲慢さ」が色濃くなりがちなため、さらに嫌味が増す。若い世代とは違い周囲に注意できる人もいないから、厄介度のレベルも大きくなる。
社会に蔓延る偉そうな50代の正体
偉そうな50代が厄介なのは、本人にその自覚がない場合が多いこと。偉そうにしているつもりはなくても、周囲からは偉そうな態度に見られてしまっている。
本人は良かれと思っていて行った指導もただの説教となり、楽しんでもらうための話題でも、つまらない昔話や共感できない自慢話に聞こえてしまう悲しい現実がある。
たとえ偉そうな50代であることを自覚して態度を改めても、若い世代とは決定的に感性が違うことまでには気付けない。
若い世代に配慮して歩み寄ろうとして理解のある上司を演じたり、最近の流行りの話題で盛り上げようとしても、偉そうな50代がうざい50代に変わるだけだ。
嫌われない中高年になれる３つの方法
八方塞がりのようにも見える偉そうな50代。偉そうに見られないためには、どのような心構えや行動を意識すればよいのか。ここでは、日々の振る舞いを少し変えるだけで、嫌われない中高年になれる方法を紹介したいと思う。
言葉遣いに気を付ける
何気ない一言が偉そうに聞こえることがある。そのため、年齢に関係なく対等な関係を心掛け、上から目線の言葉遣いは決して使ってはいけない。
「～すべき」といった断定的な表現は避け、「自分ならこうするけど、他の良い方法はないか」など相手に考える余地を与えるような言い回しがポイント。
言葉を発するときには偉そうな印象を与えないように声のトーンにも配慮すれば、ハラスメントおじさんと思われるようなリスクも軽減できる。
謙虚になって聞き手に徹する
昭和世代にしか伝わらないような昔話は、おじさん同士で飲むときに話せば良い。若い世代がいるときは、謙虚になって聞き手に徹することが重要だ。
「今の若い人は～」「昔はこうで～」など今と昔を比較するようなことは厳禁。おじさんの主張なんて誰も聞きたくない。まずは若い世代を主役にして話を聞いてあげよう。
若い世代の話の内容が分からなくても、まったく問題はない。むしろ、無理に話を合わせてしまう方が危険だ。おじさんはおじさんらしく、時代遅れの人で良い。そもそも中高年に答えは求められていないから。
適度な隙を見せる
若い世代と違って、50代にもなると責任も大きくなり失敗が許されなくなる。完璧であろうとするあまり、それが自分も周囲も息苦しくさせる。
だからこそ、自分を誇張するような自慢話などをするのではなく、失敗話をして適度に隙を見せることが必要だ。明らかに盛った自慢話は嫌悪感を抱かれるが、失敗話はむしろ大袈裟に話すくらいの方が親近感を持たれる。
ただし、仕事ができない50代に見られるようでは、「使えない中高年」として別の意味で嫌われてしまう。あくまでも仕事はしっかりやって、適度に隙を見せるくらいがちょうど良い。
50代は偉そうに見えることを自覚しよう！
ただ年齢を重ねているだけでも、若い世代から50代は偉そうに見えることがある。偉そうに思われている側の中高年世代にその自覚がないから厄介なのだ。
偉そうな態度や言動は若い世代から嫌われるだけでなく、今の時代はコンプライアンス違反で仕事も失いかねない。だからこそ、謙虚過ぎるほどの細やかな配慮が必要になる。
そんな話を聞いて「面倒な時代だ……」「昭和の頃は良かった」なんて言っている人は、すでに自覚の足りない偉そうな50代になっているのかもしれない。