年賀状離れが進んでいる中で、2024年は郵便料金の値上げも重なり年賀状じまいには格好のタイミング。プリントゴッコで手動印刷していた頃を考えればだいぶ楽になったとはいえ、年賀状書きが面倒に感じるのは今も昔も変わらない。そのため、年賀状じまいの一言を添えて、今年で年賀状を書くのは最後にしようと思っていた。
しかし、年賀状じまいには問題もある。年に一度、年賀状だけのやりとりだった昔の友人・知人とは、おそらく二度とかかわりを持つことがなくなることだ。結局、例年通り「手書きの一言をどうするか?」に悩み、年末休みの貴重な一日を年賀状書きに費やすことになる。そんな優柔不断な中高年の年賀状に対する葛藤とは……
年賀状を書くメリット・デメリット
年賀状じまいを真剣に考える中で、そもそも「年賀状を書くメリットとデメリットは何か?」を整理してみた。
メリット | デメリット |
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形式的に新年の挨拶を済ませることができる お世話になった人へ感謝の気持ちを伝えられる 疎遠な人に連絡するきっかけになる | 年賀状作成に手間と時間がかかる ハガキとインクの費用がバカにならない 年賀状を受け取る人が負担になることがある |
こうしてみると年賀状を書くのはデメリットの方が圧倒的に大きいように思える。面倒臭いだけでなく金もかかり、そのうえ意図しなくても返信を求めているようで「年賀状ハラスメント」にもなりかねない。若い世代で、年賀状の習慣がSNSにとって代わったのもよくわかる。
中高年は年賀状をSNSに移行できない
中高年の場合、「本当に年賀状はSNSで代用できるのか?」という問題がある。同世代の友人や同僚ならSNSで簡単に年始の挨拶を済ませることはできるが、上司や取引先にはそうはいかない。長く会っていない古い友人や知人は、そもそもSNSの連絡先すら知らない。
とはいえ、上司や取引先も年賀状を書く人は少なくなった。そうなると、一方的に年賀状を書くのは年賀状ハラスメントでしかなくなるから厄介だ。やはり、時代の流れに任せて、本来は年賀状じまいをする方が良いのだろう。
本当は嬉しい?年賀状ハラスメント
年賀状ハラスメントはするだけでなく、されることもある。関係性が薄くなったと思って年賀状を出さなかった人から届くハラスメントだ。ダラダラと寝正月を過ごしたいのに、また面倒な年賀状書きをしなければいけなくなる。余りの年賀状がなければ、近くのコンビニにわざわざハガキも買いに行かなければいけない。
でも、嫌な気分になるのかといえば決してそんなことはない。むしろ、ちょっと嬉しい。すべての人が同じ考えになるとは思わないが、そんな人も多いのではないか。年賀状によって辛うじてつながっている関係は、意外と大切なものかもしれない。
まとめ:中高年にとって年賀状は生存報告のために必要
50歳にもなると、疎遠になる人も多くなり、年賀状のやりとりだけが唯一のつながりの人も少なくない。そんな古い友人や知人から年賀状が届かなくなると、年齢のせいもあって少し心配になる。そう考えると、中高年にとって年賀状の最大のメリットは生存報告ができることだ。
そして今年も面倒臭いと思いつつ、丸一日かけて年賀状を書いた。古い友人・知人には、おそらく今年も会うことはないのに「近いうちにみんなで会おう!」なんて、形式的な一言を添えて……