会社員として勤続年数が長くなれば長くなるほど、「仕事を辞めて1年くらい休みたい!」と思うことがあります。
私はそんな思いに逆らえず、40代になって勤続20年の会社を辞めた結果、世間の目を気にしながらも約1年間アルバイトもせず、ほぼ収入がない期間を過ごしてきました。
そこで本記事では、私自身の体験談をもとに40代で会社を辞めて1年間程度、仕事を休むメリットとデメリットをお伝えします。
「仕事を辞めて1年くらい休みたい!」と考えている40代以上の方が、実際に会社を辞めて後悔することがないように、私が約1年間の休みを経て得られたものと失ったものを包み隠さずお伝えするので、ぜひ最後までお読みください。
結婚してご家庭のある方や、介護しなければいけない両親などがいる方は、読まないでください。一人暮らしの40代以降の独身男性を対象にしている記事になります。
仕事を辞めて「1年くらい休みたい!」と思った理由
「もしかしたら社会復帰できなくなるかも…」など40代で仕事を辞める不安を感じながら、私は会社を退職してしばらく働かない決断をしました。ここでは、「1年くらい休みたい!」と思った3つの理由についてお伝えします。
ゆっくり休む時間が欲しい
1つ目の理由は、長年の勤続疲労を癒すために、何もすることなく、ただひたすらにゆっくり休む時間が欲しかったことです。
40代になってからは、休日に一日中寝ても疲れが取れない日々が続き、スマホの劣化したバッテリーのようにエネルギーがすぐに切れてしまうような状態でした。
会社員時代に心療内科に通った時期があった私にとっては、何か新しく始める前の準備としても、心身ともにリフレッシュするための充電期間として長期休暇は必要だったのです。
次の仕事のために学び直しをしたい
2つ目の理由は、次の仕事につながる学び直しの時間が欲しかったことです。これは、1年間という長期休暇を取りたかった最大の理由でもあります。
私の場合、学び直しをしたいことは本サイトのメインテーマでもある以下の2つでした。
- 本業として行政書士の実務勉強→伊藤塾の実務講座を受講
- 副業としてブログ運営→YouTube動画で独学
ただ「1年くらい休みたい!」という理由だけでは、勤続20年の会社を辞める決断はできなかったでしょう。
人生最後の長期休みを楽しみたい
3つ目の理由は、人生最後になるかもしれない長期休暇をとりたかったことです。定年とは違い、あらためて仕事を始めるまでの一時休暇でもあります。
勤続20年の間で5日以上の連休をしたことは、内臓疾患で約2週間の入院をしたときのみ。純粋に長期休暇を楽しむ機会はありませんでした。
そのため、しっかり休息をとり学び直しをしながらも、純粋に休みを満喫したいとも考えていたのです。人生最後の甘え期間だったのかもしれません。
仕事を辞めて1年間休んでみた!メリット・デメリットを徹底解説【体験談】
40代で1年間の休みをとることは、一般的にはリスクでしかありません。しかし、実際に仕事を辞めて1年以上の休みをとった結果、デメリットだけでなく、メリットも実感することができました。ここでは、仕事を1年間休むメリットとデメリットについて、それぞれ3選ずつ体験談をもとにお伝えします。
仕事を1年間休むメリット3選
ストレスがなくなる
厚生労働省の職場におけるメンタルヘルス対策に関する調査では、仕事に関することで強いストレスなどを感じている労働者の割合は半数を超えています。
そんな多くの人が抱えている仕事のストレスから解放されて、私の場合は十分な休養をとったことで、慢性的に感じていた胃の痛みも、寝起きの悪さも嘘のようになくなりました。
元同僚からは肌ツヤが良くなったとか、表情が明るくなったと言われるなど、自分自身が気付かないレベルでもストレス解消による良い変化もあったようです。
やりたいことに集中できる
仕事を辞めて長期休暇をとることを決めていたことで、やりたいことに集中できる心の余裕が生まれました。
40代は若い時よりも集中力や記憶力が失われ、やりたいことがあっても思うように成し遂げることができなくなります。そのため、何をやるにも時間が必要になります。
そのため、私にとって1年間という纏まった休みは、勉強するにしても遊ぶにしても十分に満足を得るために必要な時間だったといえます。
働く意欲が回復する
不思議なことに1年間も仕事を休んでいると、あれほど嫌だった仕事に対するモチベーションが回復して、働きたいと感じるようになります。
精神的にも身体的にも、スマホを買い替えたときのようにバッテリーが減りにくい満充電状態となり、仕事を始める体制が整いました。
仕事をFIREした多くの人が一定期間を過ぎると働きたくなるといいます。私にとっての1年間の休みはミニマムなFIRE経験だったのかもしれません。
仕事を1年間休むデメリット3選
貯金が減っていく
仕事を1年間休む最も現実的な問題は、働かないことで収入がなくなり、貯金が減っていくことです。
翌年の税金の支払いなど仕事をしていたときには感じなかった金銭負担も感じるようになり、想像以上に貯金は減っていきます。
そもそも1年間の休みをとるには、十分な蓄えは必須です。1年間働かなくても生活できる余裕がなければ、そもそも仕事を辞めるべきではありません。
生活習慣が乱れる
1年間の休みは、堕落人間と化すには十分な期間です。そして堕落するきっかけとなるのは、生活習慣の乱れから始まります。
徐々に時間に対する感覚が薄れて、夜更かしたり日中からゴロゴロしたりするなど、仕事がないことによって自制が利かなくなっていきます。
私の場合、飼い猫のために決まった時間に食事とトイレの世話をしなければいけないため、辛うじて生活習慣が完全に乱れることはありませんでしたが、猫がいなければ廃人状態になっていたかもしれません。
社会的な信用が失われる
40代で無職になるのは、社会的な信用を一気に失うことになります。ましてや私のような独身男性となれば、目も当てられません。
現実的には正社員への道はほぼ閉ざされることになり、クレジットカードが作れなくなるなど、日常生活にも少なからず影響を与えます。
また、周囲からの視線が気になり、妄想的に社会的信用のない自分を勝手に卑下するようになることもあるので注意が必要です。
社会復帰するために仕事の選択肢を増やしておこう!
1年間の休みを経てから、いざ仕事をしようと思っても、特別なスキルや経験のない40代が正社員として社会復帰するのは難しい現実があります。
働く業界を考えなければ、正社員として採用される可能性も残されていますが、前職以上の待遇を求めるのは困難でしょう。そのため、待遇改善を望んでいるのなら「会社を辞めなければよかった……」と後悔するのがオチです。
ちなみに私自身は会社を辞めて1年間休むことを決めたときには、すでに正社員として働くことは諦めていました。
では、1年間の休みの後はどのような仕事をしていこうと考えていたのか? 私が想定していた正社員以外の主な仕事の選択肢は以下の4つです。
- 行政書士
- ブログ運営
- Webライター
- アルバイト
ここでは、1年休んだ後に想定していた4つの仕事の選択肢について詳しくお伝えします。
行政書士
1つ目の仕事は、行政書士として独立開業することです。
行政書士の仕事だけでも生活ができれば理想ですが、ネット上を始めとして「行政書士は食えない」とよくいわれます。その真偽は別として、行政書士だけで生活することは考えていませんでした。
行政書士は自宅開業を前提として、基本的には月々6,000円程度の行政書士会への会費さえ支払い続ければ、廃業せずに行政書士を続けることはできます。
正社員として働いていなくても、行政書士として開業すれば世間体を保てることも、40代から新しく始める仕事として魅力があります。
ブログ運営
2つ目の仕事は、ブログ運営をして収益化することです。
オワコンと言われて久しいブログ運営ですが、「月収100万円!」のような大きな収益を望むことは難しくなっているものの、生活の足しになる程度の収入なら得ることができます。
私は1年間の休みの間にブログを始めて、約1年程度でお小遣いになる程度の収益化に成功しました。
ブログは独立開業には必須のホームページ作成やWebライター等、他の仕事につながるスキルを身に付けられるため、文章を書くことが苦にならない方にはおすすめです。
Webライター
3つ目の仕事は、40代になるまでの経験を活かしてWebライターをすることです。
今の中高年世代からすれば、文章を書くことが好きでもライターになるのは一部の才能のある人だけと思って諦めていた方も多いと多いのではないでしょうか。
しかし、今の時代はクラウドソーシングを利用して、誰でもWebライターになることが可能です。
40代にもなれば、これまで従事した仕事で培った知識やスキルはもちろん、昭和時代の思い出話など中高年だからこそ書けるネタも多くあります。
アルバイト
4つ目の仕事は、確実な収入を得るためにアルバイトをすることです。
正社員と比較すれば安定性がないといわれるアルバイトですが、勤務先の業績が余程悪化しない限りは、仕事を失うケースは稀です。
むしろ正社員のような責任がないことや、フルタイムではなく他の仕事の収入に応じて短時間でも働けるのはアルバイトならではの魅力です。
独立開業やブログ等は収入を得るのは不確定要素が多い仕事ですが、世間体さえ気にしなければ、アルバイトなら確実に収入を得ることができます。
おわりに:仕事を辞めて1年くらいは休みたい!40代で退職した会社員の諦めと希望【体験談】
仕事を1年間休むことは、特別な事情がない限り会社を辞めることを意味します。そのため、軽い気持ちで「1年くらいは休みたい!」なんてことは決してできません。
ただし、養わなければいけない家族がいないなど、会社を辞めても許される状況にあるのなら、選択肢の1つとして1年間の休みは次のステップに向けての大きな活力になります。
40代が会社を辞めたら何も仕事がなくなるかもしれない恐怖を抱く方も多いかもしれませんが、時代は変わっています。かつて就職活動をしていた20代の頃よりも働く手段は圧倒的に増えています。
正社員の道にこだわらなければ、生活していくことは決して難しい訳ではありません。40代が仕事を辞めて1年間の休みをとるために必要なのは、周囲の目を気にし過ぎないことに尽きるのかもしれません。