保護猫を飼い始めたのに、まったく猫がなついてくれる気配はなく、途方に暮れている飼い主さんはいませんか。
保護猫が慣れるまでに「どれくらいの期間がかかるのだろう?」「どんなきっかけでなついてくれるの?」など、敵意の目を向けて「シャー!」としか言ってくれない愛猫を前に悩みは尽きないはずです。
でも、安心してください。保護猫が人に慣れてくれない悩みはタイトルの通り時間が解決してくれます。そして万一思うようになついてくれなかったとしても、猫は可愛い。
本記事では、かつて保護猫が慣れてくれずに途方に暮れていた私自身の体験談をもとに、保護猫が人に慣れるまでの期間についてお伝えします。
保護猫が人に慣れるまでの期間【実体験】
私自身は保護猫を2匹飼っています。1匹ビビりなオス猫。もう1匹は警戒心の強いメス猫です。2匹の保護猫が心を開き始めた時期は異なり、なつくようになったきっかけにも違いがあります。ここでは性格の異なる2匹の保護猫が慣れるまでの期間ついて詳しくご紹介します。
ビビりなオス猫「しらす」を触れるまでに半年
保護するまでは母猫にベッタリで、保護してからは兄妹の妹「にぼし」の後ろで小さくなっていたビビりな「しらす」。にもかかわらず、結果的に人に慣れるのが早かったのはオス猫の「しらす」の方でした。
それでも、初めてしっかり触らせてくれるまでには半年。決して短い期間ではありません。目が合っただけで「シャー!シャー!」されるので、一時は心が折れて触れることすら諦めた時期があったほどでした。
そんな「しらす」の「シャー!シャー!」の威嚇が唯一収まるのが、おやつのちゅ~るを見せたとき。今にも猫パンチをされそうなほどの勢いがあった威嚇の様子は影を潜め、ちゅ~るをぺロペロ。そこから、ちゅ~るを与えるときにだけ、少しずつ少しずつ距離を縮めてやっと触れるようになったのが半年後でした。
自然に触れるようになってからは「しらす」との距離が縮まるスピードは速く、初めてまともに触れることができたときから、1か月もしないうちにただの甘えん坊猫に。オス猫は甘えん坊が多いといわれますが、保護当初が嘘のように威嚇の「シャー!シャー!」猫から、甘えるのをおねだりする「ゴロゴロ」猫に驚きの大変貌を遂げたのです。
警戒心が強いメス猫「にぼし」が膝に乗るまでに3年
一方のメス猫「にぼし」は「しらす」と違って、保護前は猫じゃらしを差し出せばガンガン前に出てくるようなお転婆子猫だったのが、保護してからは一転して警戒心が異常に強い性格に。ちゅ~るを見せても「しらす」のように釣られることはなく、ちゅ~るを差し出しても人の手からは一切口にすることはない状態でした。
「しらす」のように威嚇するようなことは少なかったものの、私とは常に一定の距離を保ち、キャットケージのハンモックから監視の目を光らせる日々。「しらす」との距離が縮まれば縮まるほど「にぼし」との距離は離れていくようで、何も変化がないまま1年が過ぎていきました。
その頃には「にぼし」に触れることは難しいと半ば諦めていましたが、そんなとき何の前触れもなく、「にぼし」が足元にきてスリスリし始めたのです。本当に何の前触れもなく。もしかすると、何も変化がないと思っていたのは私だけで、「にぼし」の中では私に対する警戒心は月日を経て薄れてきていたのかもしれません。
ただし、スリスリするのはいつも一瞬だけ。まさに典型的なツンデレ猫。そしてツンツンツンツンツン・デレくらいのペースが続いていた中、また何の前触れもなく「にぼし」が膝の上に乗ってきたのは、保護してから3年が経ったときでした。
結論:保護猫は人に慣れないからこそ可愛い!
「しらす」と「にぼし」を保護してから、間もなく4年目を迎えようとしていますが、実は2匹とも完全に人慣れしたとはいえません。
甘えん坊猫へと大変貌を遂げた「しらす」も、ふとした瞬間に怪訝な表情で私を見ているときがあり、手を伸ばして触ろうとするとドタドタと逃げてしまうことがあります。
「にぼし」も相変わらずのツンツンツンツンツン・デレで日によってはツンしかありません。触れることすら難しく、膝の上に乗ることなんて想像がつかないほどの距離感を感じるときがあるほどです。
ペットショップから迎えた猫ならこんな苦労や心配をすることはなかったのかもしれません。しかし、今となってはそんな微妙な関係性が楽しく、保護猫は人に慣れないからこそ可愛いと思えるのです。
だからこそ、保護猫が人に慣れないことを悩んでいるなら、そんな微妙な猫との距離感を楽しみましょう。まったく保護猫がなついていないように感じても、一緒の空間にいるだけで確実に保護猫との距離は縮まっているはずです。
もしかすると、昨日まで触らせてもくれなかった保護猫が何の前触れもなく膝の上に乗ってきてくれるかもしれません。