行政書士についてネットで調べると「誰でも取れる資格」「開業しても仕事がない」など、ネガティブな意見ばかりが目立ちます。
このような意見に影響されて、行政書士開業に興味は持ちながらも行動に踏み出せない人は多いのではないでしょうか。
ましてや、40代・未経験・コネなしの会社員が脱サラして行政書士開業に挑戦するなんて聞いたら、多くの人が無謀と感じてしまうかもしれません。
私自身も資格取得した20代の頃は、行政書士で開業するなどという考えは微塵もありませんでした。
にもかかわらず、なぜ勤続20年以上の会社を辞めて「40代・未経験・コネなしで行政書士開業を決めたのか?」について、実体験をもとに8つの理由で説明します。
40代から行政書士開業するポジティブな意見を聞きたい人は必見です。
※行政書士の資格取得から開業までのロードマップはコチラをご覧ください。
[chat face=”shirasu-aikon.jpg” name=”しらす” align=”right” border=”yellow” bg=”none” style=”maru”] おじさん、会社辞めちゃって大丈夫なの?[/chat]
[chat face=”ojisan1.png” name=”おじさん” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=”maru”] 大丈夫だよ。心配なの?[/chat]
[chat face=”shirasu-aikon.jpg” name=”しらす” align=”right” border=”yellow” bg=”none” style=”maru”] 心配だよ。これからも、ちゅ~るちゃんと買ってくれるの?[/chat]
[chat face=”ojisan1.png” name=”おじさん” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=”maru”] もちろん買ってあげるよ。だけど、しらすも少し太ってきたから、ちゅ~るの本数は減らしてダイエットしないとね[/chat]
[chat face=”niboshi-aikon.jpg” name=”にぼし” align=”right” border=”red” bg=”none” style=”maru”] ダイエットとかいって、食べられなくなる予防線をはってるのね![/chat]
[chat face=”shirasu-aikon.jpg” name=”しらす” align=”right” border=”yellow” bg=”none” style=”maru”]えー!やだよ。ちゅ~るちゃんと食べさせてよ! [/chat]
[chat face=”ojisan1.png” name=”おじさん” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=”maru”]大丈夫っていってるじゃない。その理由をちゃんと説明するから、安心して [/chat]
【40代・未経験・コネなし】脱サラして行政書士開業を決めた8つの理由
開業準備の過程で調べた情報や実体験を交えながら、脱サラして行政書士開業を決めた8つの理由についてお伝えします。
【理由1】40代からの開業はメリットが多いから
世間一般的に40代以降の転職は難しいといわれています。だからこそ、会社員としての転職ではなく、独立開業の道を選択をする方も多いのではないでしょうか。
会社員への転職は難しいから、独立開業というとネガティブなイメージになりますが、行政書士の場合、むしろ40代以降に独立開業するからこそ、大きなメリットがあります。
- 行政書士の40代は若手であること
- 年齢が高く社会人経験が長いことを活かせること
- 定年を気にすることなく仕事ができること
上記の40代以降に開業することの3つのメリットについて、詳しく説明します。
行政書士の40代は若手であること
[chat face=”ojisan1.png” name=”おじさん” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=”maru”] しらすとにぼしに、ここでクイズです。当たったら、ちゅ~るをあげるよ
行政書士の年齢層で一番多いのは、次のうちどれでしょう?
① 20歳~40歳
② 41歳~60歳
③ 61歳以上~[/chat]
[chat face=”shirasu-aikon.jpg” name=”しらす” align=”right” border=”yellow” bg=”none” style=”maru”] おじさんよりおじさんじゃ、おじいちゃんだもんね
答えは、①番かな[/chat]
[chat face=”niboshi-aikon.jpg” name=”にぼし” align=”right” border=”red” bg=”none” style=”maru”] クイズにするくらいだから、③番でしょ[/chat]
[chat face=”ojisan1.png” name=”おじさん” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=”maru”] さすが、にぼし!実は答えは③番で、61歳以上の行政書士は、全体の半分以上もいるんだよ[/chat]
【平成30年行政書士実態調査集計結果:年齢構成】
年齢 | 人数 | 割合 |
20歳~40歳 | 380人 | 8.8% |
41歳~60歳 | 1,528人 | 35.2% |
61歳以上 | 2,407人 | 55.5% |
未回答 | 23人 | 0.5% |
合計 | 4,338人 | 100% |
※日本行政書士連合会が2018年に発行した『月刊日本行政 10月号』(日本行政書士連合会)から一部データを抜粋したものです。
上記の表をみれば、40代の行政書士はまだまだ若手であることがわかります。40代以上の括りにすると、その割合は驚きの90.7%。40代といえば、会社員ではそろそろ定年のことが頭によぎり、場合によってはリストラの対象にもなる年齢です。
にもかかわらず、40代が若手なんて、伝統工芸の職人のような世界でなければ聞くことはありません。40代からの新たな人生を始める道として、その世界で若手といえるポジションで働けることはとても魅力的なメリットです。
年齢が高く社会人経験が長いことを活かせること
新しく仕事を始める上で年齢が高いことは、一般的にはデメリットでしかありません。また、長い社会人経験も特別なスキルがない限り、むしろ前職の固定概念が抜けずマイナスになることもあります。
しかし、行政書士の仕事は、高齢や社会人経験は確実にプラスに変えることができます。
以下については、私の父が亡くなったときにある士業の方に相続に関する仕事を依頼したときの簡単な経緯になります。
- ネットで家の近くで相続に関する専門の士業事務所を探す。
- 比較的HPの内容が良いと感じた2つの事務所に絞る。
- 代表者の経歴等を確認。
- 代表者は一人が20代で、もう一人は50代。写真から20代の代表者は若すぎるような印象を受けたため、50代の代表者へ依頼。
もちろん、この選択は安易ではありますが、行政書士も含む士業の世界で年齢が若いことは、それだけで軽く見られてしまう危険性もあるということです。
私自身は年齢を一つの判断材料としましたが、本来であれば年齢ではなく士業としての経験年数が重要なはずです。HPには士業としての経験年数までは明確に記載がなかったため、もしかすると、20代の代表者の方が士業としての経験年数が長かったことも考えられます。それでも、年齢による印象は大きかったということです。
そしてもう一つは、長い社会人経験も十分に活かすことができるということです。これは、明確に行政書士業務に直結するような仕事上の経験ということではありません。
一般的な仕事をしていくうえで、PDCAを回し仕事を改善して利益をあげていくこと等、仕事そのものは違ってもフレームワークとして社会人経験を活かすことはできるはずです。
そもそも、お客さまの電話をとり、関係部署との連携のために報告・連絡・相談をすることなどは、社会人であれば当たり前のことですが、その当たり前なことができるということが大切ということです。
行政書士の業務は、士業の中で業務範囲が広い士業の1つです。行政書士業務と直接的には関係がなくても、これまでに経験してきた仕事を活かすことができる業務を見つけられる可能性は高いと感じます。
定年を気にすることなく仕事ができること
定年を迎えて、収入源はもちろん生きがいまで失ってしまうことはよくある話です。その点、行政書士には会社員のように定年はありません。
行政書士を開業することで、収入源の確保とともに行政書士という仕事を通じて社会貢献ができることは、大きな生きがいにもつながります。
老後2,000万円問題や国民年金の給付延長の議論等、明るい老後の生活が見えない中、定年を意識し始める40代には、一生続けられる仕事があることは大きなメリットです。
【理由2】行政書士の仕事は未経験でもできるから
御幣を恐れずにいえば、行政書士の仕事は、他人の依頼を受け報酬を得て、行政書士法に定める事務を業とすることができないだけで、未経験だとしても誰でもできる仕事です。
もちろん、現実的には行政書士ではない人には、専門性の高い業務を行うことは難しく、また精度の高さを求めることもできません。
例えとして、一般的に行政書士の主要業務の一つと言われる車庫証明はどうでしょうか。特別な専門知識がなくても作成できる書類であり、書類の記入方法に不明な点があっても、管轄警察署に問い合わせれば、担当者が丁寧に記入方法を教えてくれるはずです。
ここで、行政書士の仕事が未経験でも出来た私の体験談2つ紹介します。
個人として自動車免許更新の書類作成(体験談)
今から20年以上前の話ですが、初めての自動車免許更新で試験場に行ったところ、その近くには行政書士事務所がずらっと並んでおり、更新書類の作成代行が行われていました。
その時は、初めての更新で書類作成の手順もよくわからなかったため、そこの行政書士事務所で書類を作成の依頼をおこなったのです。
結果、当時の自分でも「こんな書類なら誰でも書けるな」と感じる程度の書類で、手数料を支払ったことに損した気分になったことをよく覚えています。
法人として警備業の認可に関する書類作成(体験談)
会社員時代に自分が担当する地域で警備業を行うことになり、警備業の認可に関する書類を数回管轄の警察署へ提出したことがあります。
さすがに自動車免許の更新書類とは異なり、必要書類がどのようなものかもわからず戸惑いましたが、警察HPから申請書類をダウンロードが可能で、記入方法も丁寧に書かれており、最低限の書類作成をすることは可能でした。
一部不明な点は、電話で確認することで問題なく書類を完成し、審査を通すことができました。
以上の2つの体験談からいえることは、前述したように行政書士の一部の業務においては、行政機関の窓口に問い合わせすることやマニュアルを見ることで対応することは十分可能であるということです。
このことは、私のように実務経験がなく独立開業を考えている場合、まったく実務ができないという不安を和らげ、自分でもなんとかなるのではないか思わせてくれるのです。
専門性が高い業務を行うことや、許認可を受けるために担当部署との交渉力や信用によりスムーズに申請を通すこと等は、行政書士でなければできないことです。
また、誰にでもできる業務や申請結果に差異が生じにくい業務は、当然ながら報酬も低いことを覚悟しておかなければなりません。
【理由3】コネは探し出すことができるから
行政書士は求人募集も少ないため、実務経験を積むことが難しいと同時に士業関係者とのコネを作るのが難しいと思われるかもしれません。
しかし「本当にコネはないのか?」と考えてみると、実は人生経験を長く積んできたからこそ、コネを身近から探し出すことができる場合があります。
友人・知人から士業関係者を探す
「友人・知人に士業がいないからこそ、コネがないんじゃないか!」とはいわないでください。本当に身近に士業はいませんか? 直接的な友人・知人に知り合いはいなくても、友人・知人の知り合いにはいないでしょうか?
そもそも、40代ともなれば、古くからの友人の中には、実は士業の仕事をしているという人がいるかもしれません。ちなみに、私は大学時代の友人が税理士事務所に勤めていました。意外なところに最大のコネがあるかもしれません。
職場で士業との関わりを探す
一般的な会社であれば、経理部なら税理士、総務部・法務部なら弁護士、社会保険労務士等、士業とのつながりがあります。自分が所属している部門が士業との関わりがなくても、会社自体がつながっているのであれば、コネとして考えてみることはできるはず。
余程悪い形での退職をしていないのであれば、挨拶回りをしてみるのも良いかもしれません。前職の会社と関わりがあったことを一言添えるだけでも相手の印象は違うはずです。
士業へ仕事依頼の経験がないか探す
40年以上も生きてくれば、実は士業に仕事を依頼した経験がある人も多いのではないでしょうか。コネというには、ちょっと違うと思われるかもしれませんが、一度でも仕事を依頼したのであれば、その事実を活かさない手はありません。以前にお世話になったことをお伝えすれば、相手も無下にすることもできないでしょう。
もし、そんな経験がないのであれば、これから士業に仕事を依頼してみるのも手です。自分が考えている専門業務の仕事等、実際に仕事を依頼してみることで、どのように業務をこなしているのかも確認できることから一石二鳥です。
【理由4】独立開業には最適の業務形態だから
開業を成功させるために必要なものとして、ホリエモンこと堀江貴文さんは、自身のブログ(六本木で働いていた元社長のアメブロ)内でビジネス4原則を掲げています。その4原則とは以下のとおりです。
- 利益率が高いこと
- 在庫を持たないこと
- 資本ゼロあるいは小資本で始められること
- 定期的に一定額の収入が入ってくること
行政書士の開業に少しでも興味のある方であれば、上記の4原則がほぼ行政書士の仕事にあてはまることがわかると思います。
1と2については、行政書士は知識と経験が商品であり、基本的に仕入れをしないため、必然的に利益率は高くなります。当然のことながら在庫を持つこともありません。
3については、事務所とパソコン等の備品さえあれば始めることができます。行政書士の登録料や月会費等を含め、書籍やネット等の情報を総括すると、開業資金としては100万あれば可能です。
4については、他の士業と比較した場合、行政書士は単発案件が多く、定期収入が見込める仕事は少ないといわれているため、原則に完全に合致するとはいえません。それでも、更新制度のある許認可業務やコンサル業等、ビジネスの展開によっては定期収入を得ることは可能です。
この4原則は、儲かるためのビジネス4原則でもありますが、事業を失敗しにくいビジネス4原則に置き換えても説得力のある話であり、消極的な行政書士開業を考える身としても背中を押してくれる言葉でもありました。
行政書士の開業資金として100万円はあくまでも目安です。書籍やネットの情報でも、1000万以上の潤沢な資金を準備した方もいれば、自宅開業で備品もあるもので揃え、実質登録料と会費だけ約30万円程度でスタートさせている方もいました。
副業として始めるのであれば必要最低限の金額で十分ですし、養わなければいけない家族がいるのであれば、行政書士としての収入が見込めなくても、1年程度は生活できる金額を用意する必要があります。
【理由5】AI化が進むといわれているから
日本の労働人口の約半数がAI変わられるといわれるなか、行政書士の仕事も90%以上がその仕事が奪われるとされています。その是非はともかく、これから行政書士で開業を目指すものにとって、この数値は不安でしかないでしょう。
しかし、逆説的ではありますが、この事実は40を過ぎて開業を考える身としては、プラス面もあるということを感じるようになっています。
アナログ世代でパソコン作業に抵抗のある私にとって、AI化や電子申請の普及等は、行政書士の仕事がなくなる以前にやっかいな問題です。これまでも、確定申告をはじめ、電子申請が可能なケースでも、なんとなく気が進まず、紙ベースでの手続きを行ってきた経緯があります。
先日、そんな私が初めて電子申請を行う機会がありました。それは、恥ずかしながら、行政書士の合格証明書の発行です。資格取得から20年以上経過していたため、当時の合格証書が見当たらず、行政書士会へ確認したところ、都庁で合格証明書の発行が可能であることを知ったのです。
早速都庁へ問い合わせをおこなったところ、窓口申請では即日の証明書発行はできず、電子申請での手続きが一番早いとのこと。そして、いざ初めての電子申請の運びとなったのです。
アナログ世代のアラフィフおじさんが、電子申請を行った率直な感想としては、なんとなく取っ付きにくいけど、やれば意外と簡単かも…というような感じです。おそらく、2回目があったとしたら、おそらく窓口申請を考えることはないでしょう。
以上の経験から感じたことは2つ
- やっぱり電子申請は取っ付きにくい
- やり方を覚えてしまえば、紙で申請するよりだいぶ楽
行政書士としての視点から考えられることも2つ
- 電子申請に抵抗を感じる人が増えれば、あらたな需要を見込める可能性がある。
- 行政書士として業務をこなす側としては、作業を簡略化できる。
我ながら安易であるとは思いますが、少なくともすべてがデメリットばかりではなないということです。
そもそも、士業にかかわらず、ほぼすべての仕事がAIにとって代わられるといわれている時代です。必要以上の心配は無用であり、むしろ、プラスの側面を考えるべきではないかということです。
そんな私は、すでに実用化されているローイット株式会社様の許認可一括クラウド管理『マルット』なるサービスに興味をもっています。このサービス案内で注目するべきは、よくあるご質問のなかに「行政書士ですが利用できますか?」という項目がある点。そして、その答えはYES。
私のような実務未経験の人間にとっては、AIがむしろ心強いパートナーになってくれれば良いのではないかと密かに期待していたりします。
【理由6】開業するための情報が豊富にあるから
私が行政書士の資格を取得したのは、今から20年近く前のことです。当時は、行政書士で開業なんてことはまったく考えておらず、次の資格取得のためのステップ、もしくは老後にボランティア的に仕事ができればよいかなと思っていた程度でした。
当然、まだ20代で人生の選択肢も多く残されていたということもありますが、その当時、開業をまったく考えることができなかったのは、行政書士で開業することに対する情報が皆無に等しく、どのように開業をすればよいのか、まったく検討もつかなかったという状況があったからです。
しかし、現在その状況は大きく変わっています。数多くの行政書士の開業講座が開設され、ブログやYouTubeでは個人がそれぞれの立場から行政書士開業の現実を発信できる時代になっています。
当然のことながら、行政書士は食えない等、ネガティブな情報もありますが、開業するために必要な有益な情報も多く知ることができるようになりました。
そして私自身も、数多くのブログやYouTube等による情報から、開業するまでの心構えや手順等を参考にし、おおよその目途をつけることができました。また、実務については、今現在、伊藤塾の行政書士実務講座で勉強中です。
これだけの情報量があるのは、良くも悪くも行政書士が士業の中でも最も人気のある資格であり、情報を求めている人が多いからでもあります。
ヒヨコ狩り(ヨチヨチ歩きの新人行政書士に高額な情報商材等を売りつけること等)なんて言葉もよく耳にしますが、情報の精査さえできれば行政書士に関する情報が多くあふれている現在は、開業するにあたりとても恵まれた環境にあることいえるのではないかと感じます。
【理由7】世間体を気にしなくてよいから
私は20代半ばから、30代前半にかけて、約5年のフリーター経験があります。当時は、新卒入社の会社を2年で退職し、福祉の道を志したものの挫折。そのまま、特に目指す目標もなく、ダラダラと過ごしていた時期でした。
この時に一番精神的につらかったことは何かといえば、ズバリ世間体。特に30歳を過ぎたあたりから、その想いは強くなっていきました。その後、アルバイト先から声を掛けられ社員になることになりますが、その決断をした一番の理由は、この世間体だったかもしれません。
そして今、50歳を目前に会社を辞める決意をするにあたり、ふたたび私を苦しめたのが、この世間体という言葉でした。その重みは、30歳前後の時の比ではありません。親戚、近所、友達含め、どのように会社を辞めるという事実を伝えるのか。これは非常に難しい問題です。
しかし、ここで「行政書士を開業することになりました」といえるとしたらどうでしょうか。もちろん、行政書士の仕事を始めることの本質とはまったく異なるものではありますが、私にとって世間体を気にしなくてもよいということは、行政書士開業の重要な理由だったのです。
たとえ、メインの仕事はアルバイトで行政書士としての収入は、微々たるものであったとしても、「行政書士をやっています」といえることは、行政書士を続けるための最低限のランニングコストとなる月会費約6,000円以上に意味のあるものだと感じます。
ちなみに、会社を辞めて、メンタルと体力維持のために朝散歩を初めたところ、近所にビックリするほど行政書士の看板を掲げて自宅開業している家が多いことに気づきました。Googleで検索してみたところ、出るわ出るわの行政書士事務所。
もちろん、私の住まいが比較的都心部に近いということもありますが、このことには驚きました。その家やアパート・マンションの外観を見る限り、あまり業務を行っている様子は見受けられませんでした。もしかすると、私のような考え方の人は、想像以上に多いのかもしれません。
【理由8】行政書士でも食うことはできるから
「行政書士で食うことができるのか?」の議論については、ネット上でも飽き飽きするほど目にしますが、明確な結論はなく、どちらが優勢なのかということもありません。そもそも、何をもって食うことができると定義するかで結論は変わってくるもので、終わりのない議論であるようにも思います。そして、「行政書士だけで」「行政書士でも」といった文言の変換によっても、その意味は異なります。
私は猫2匹と暮らす、独身アラフィフのおじさんです。私のような立場の人ならば、正直なところ、大人一人と猫2匹が生活するのに最低限の収入があればよいという前提になります。ただし、この前提も「必要最低限がいくらなのか」「猫に高級ちゅ~るを買ってあげられるのか」「猫が病気になったら十分な医療を受けさせることができるのか」等、個人の価値観によりその基準は変わってくるでしょう。
個人的なことをいえば、一般的によくいわれる行政書士の平均年収300万という数字は、私にとっては十分な金額です。しかし、行政書士で300万という収入を得ることは決して簡単ではないことも承知しています。
そのことを踏まえ、行政書士で開業をするといっても、行政書士だけで食べていくことは考えていません。副業もしながら行政書士でも食べていくことを考えています。
現在コロナの影響もあり、副業ブームといわれていますが、その副業の選択肢として行政書士が取り上げられることがあります。ここでいう行政書士は、会社員がメインであり、行政書士はあくまで副業となります。安定的な会社員としての収入に加え、ちょっと余裕をもつための副業としての行政書士ということです。
もし、私が結婚をしていて、子どももいて、親の介護の可能性もあるのなら、こちらを選択するか、もしくは行政書士になることをそもそも考えていなかったかもしれません。私の場合、行政書士開業者の10%といわれる1000万超プレーヤーを目指すなんていう積極的な行政書士開業ではなく、最低限食べていくための手段の1つとしての消極的な行政書士開業という考えなのです。
行政書士一本で十分な収入を得たいという人にとっては、残念な意見に聞こえるかもしれません。ただし、食べていくための手段を増やすという意味で、独立開業できる行政書士は魅力的な資格です。
まとめ:経験豊富な40代だからこそ行政書士開業には魅力がある
40代にもなれば、若い頃と比較すれば多少なりとも人生経験を積んできています。行政書士とは直接関係がないように見えても、考え方次第でその経験を活かすことができるかもしれません。
経験豊富な40代だからこそ行政書士開業に魅力を感じることができるのです。そんな魅力も踏まえて、私が40代・未経験・コネなしにもかかわらず、脱サラして行政書士開業を決めた8つの理由は以下のとおり。
【理由1】40代以降の開業はメリットが多いから
・高齢化が進んでいるため若手といわれるポジションで開業することが可能なこと。
・一般的にはマイナスになりかねない年齢が高いことや社会人経験が長いことがプラスに作用すること。
・会社員であれば定年を考えることも視野に入り始める年齢だが、死ぬまで続けられる仕事であり、人生の生きがいとしても考えることができること。
【理由2】行政書士の仕事は誰にでもできるから
行政書士の一部の業務においては、行政機関のマニュアル等を見ることや担当部署に確認することで、実務未経験でも対応することは十分可能であること。
・個人として自動車免許更新の書類作成
・法人として警備業の認可に関する書類作成
以上の2つは、会社員時代に書類作成した体験がある。
【理由3】コネは探し出すことができるから
士業のコネはないと思い込んでいるだけで過去を振り返ってみれば、身近に大きなコネを見つけることができるかもしれない。
・友人・知人に士業関係者から探す
・職場で士業との関わりを探す
・士業への仕事依頼の経験がないか探す
【理由4】独立開業には最適の業務形態だから
ホリエモンこと堀江貴文さんが提唱するビジネス4原則に沿っており、失敗しにくいビジネスモデルであること。
【理由5】AI化が進むといわれているから
逆説的ではあるが、以下のようなプラス面もある。
・電子申請に抵抗を感じる人が増えれば、あらたな需要を見込める可能性がある。
・行政書士として業務をこなす側としては、作業を簡略化できる。
【理由6】開業するための情報が豊富にあるから
行政書士の開業講座やブログ・YouTube等、行政書士の開業に向けて有益な情報が数多く発信されている。
【理由7】世間体を気にしなくてよいから
行政書士を開業することで、実情はフリーターであったとしても、世間体を気にすることなく生活をすることができる。
【理由8】行政書士でも食べていくことができるから
行政書士だけで食べるのではなく、行政書士でも食べていこうと考えており、行政書士は食べていくための手段として+αになること。
いずれの理由についても個人的な意見が多分に含まれています。すでに行政書士で開業されている方には、不快に思われる箇所があるかもしれませんが、まだ仕事すら始めていない素人の戯言と思っていただければ幸いです。